台風続きだったので室内でSRAとMVの対比実験
101MHzのSRAとMVAそしてSRAモドキを3つ作って各々の性質や特性などの対比実験を行った。
トップ本体からの電磁波輻射状況や同軸部分からの輻射状況などかなり明確になった。
MVでのRFチョークの役割、そしてその物は構造からしてCMCとして動作していることも確認出来た。
MVAは以前から短縮した垂直DPの変形だと考えていたが定在波の乗り方から全く違うことが判明、理解出来た。
SRAにおけるCMCの挿入位置の良い位置も理解出来た。
同軸長やチョークの挿入位置によって特性が大きく変化してしまうのはMVAやモドキでありSRAは同軸長などには変化されないことも再度確認出来た。
VHFではSRAは作成上良い物が作りにくく不利、MVAは短縮率が大きくならずに済むので有利なのだが、SRAの方が電界強度的にも強い物が出来ていてひとまず安心もした。
今までMVAに関しては疑問があったのだがその疑問も解消した。
改めてMVAは垂直偏波、SRAは水平偏波であることも確認出来た。
SRAモドキとは並列共振させたコイルとシリンダーで形はSRAに似ているがコイルからシリンダーまでの間隔が広いためにSRA動作しないもの。
このモドキはMVAと同じで垂直偏波になっていた。
つまりトップ部からの輻射が無く同軸輻射になっているからだろう。
SRAにバラン、聞かないよね。
バランってバランスアンバランス整合器とでもいうのかな。
ソーターバラン=フロートバランと強制バランがあるようだ。
ソーターバランってバランじゃなくてバランみたいな物という感じかな。
強制バランが本物のバランと言えるかも。
でもアンテナの左右がアンバランスだと強制バランは難しい。
自作のバランなら巻き数調整で付けるようになるが固定されていたらアンバランスなアンテナだとちょっと厄介かもね。
SRAはアンバランスなので強制バラン使うと恐らく使えないかも。
インピーダンス変換トランスを使うことがあるが、これが簡易ソーターバランみたいな感じかもね。
実際にはDPなどでは50オームと75オームの変換だからバラン=変換器で使ってしまうけれどSRAは裸のインピーダンスは非常に高いからバランと言わずトランスになってしまうかもね。
これはまた難しいよね。本来なら単純なインピ比、巻き数比のトランスでは良い結果が出しにくい。
理想的には伝送路トランスと言う事になる。
強制バランが何となく眺めていると似ている。
イン:アウトがアンバランスの通過型で大きな比の取れるトランスが向いているのとそこに使うコアは良質の物が要求されるよ。
価格も高いから無銭家には向かないよな。
それでも160mバンド用なんかなら使うこともある。
結構手持ちのジャンクコアでもなんとかなるからね。でもローパワー用だけど。
スケルトンSPDタイプ40m用SRA、屋外で雨に遭遇。
初めての雨だった。スケルトンなので特に防水をしていなかった。
どんな状態になるのか興味があったが、朝起きて雨が降っていたのでどんな具合かCQ出している局を呼んでみた。
特に問題なく応答があったのでその後特性を調べてみたら、共振周波数が乾燥時は7.05MHz付近だったのが下がって7.00付近になっていた。
このくらいなら実用的には一応問題ない。
その後雨が強くなってきたのでチェックしたらもっと下がってしまっていてバンド内ではSWRが高くなりすぎて使えなくなっていた。
そこで雨の中ベランダへ出てSRAのポールを揺すって付着した雨を振り落とした。
ディスクの上に溜まった雨がボタボタと落ちてきた。
そして部屋に戻りチェックしたら小雨の時の状態まで戻っていた。
大雨の中一応使えるようになったので何局かQSOしたが特に問題はなかった。
結構良く飛んでいる。
午後になって雨が止んで曇り空になったら急速に雨が降る問題は前の状態へ戻って来た。
どうやら特に晴れて来た乾燥しなくても雨が止めば元に戻るようだ。
でも、大雨の時にいちいち揺すって雨を落とすのではちょっと面倒だ。
ディスクを平らにしないで少し丸い傘を被せるような工夫をして、コイルには撥水スプレーを吹きかけるようなことをしておけば今よりは良くなる可能性があるだろう。
現状で最も優れたSRAとSRABの形式
SRAは色々なアレンジがあってシンプルな原型から進化した形状まで多種多様なものが考えられているし使われている。
SRABはSRAの組み合わせによって指向性をだしたビーム化SRAのことだ。
進化したSRAを組み合わせて進化して特性向上したSRABが考えられるが、必ずしもSRAの状態で特性が良いから組み合わせればより良いSRABになるとは限らない。
現時点で自作したSRAで最も良い特性の形式はスケルトンSPDタイプのSRAだった。
スケルトンと仮称したのはボビンの無い、コイルの下地土台の無い自立した空芯コイルを採用したSPDタイプのSRAのこと。
SPDタイプと仮称したのはシリンダープラスディスクタイプだから。
標準的なSRAはシリンダーだけかディスクだけだがSRAを研究している中で
これも仮称だけれど電極効果、あるいはローブ圧縮効果なる現象がある。
二重ディスクやシルクハット型ディスクなどが実験されて輻射のパターンが水平方向へ押し下げられ扁平に圧縮される効果がある。
そしてこの効果を最大限発揮出来るのがシリンダー+ディスクだった。
したがって40mバンド以上のSRAはスケルトンSPDタイプが現状では最良の特性を示していると思っている。
80m以下の場合には大きさの関係でスケルトンなコイルは難しいことと周波数が低くなるとコイルの線間容量はあまり影響されなく成って来るのでスケルトンで無くても良い。PPで作ったボビンで作ったSPDタイプとの比較で劣ることはなかった。
作りやすい方が有利だろう。
SRABで優れた形式は?
SPDタイプのSRAを組み合わせたSRABは確かに性能が良かったけれど・・
やりすぎ感があって何のこと輻射ローブが水平を通り越して下向きになってしまっていた。
下向きが本当に惡いかどうかは分からないけれど(仰角上向き取付と言う手がないわけではない)やはり気持ちが惡い。
SPDタイプは個々に大きくなりがちなので組み合わせると全体が大きく重くなる問題もあった。
したがってSRABはトロイダルコイル+ディスクが割とコンパクトで作りやすい。
ここまでは今まで通りだ。
先の話に戻るが二重ディスクやSPDタイプにおいてディスクが銅とアルミの異種組み合わせ、シリンダーとディスクの異種金属(アルミと銅など)の組み合わせを採用するとなんと電波が出なくなる現象があった。
なぜかは解明していないが同じ金属ならローブ圧縮でゲインアップされるのに異種金属の組み合わせだと電波が出なくなる。
まるで打ち消し合っているようなのだ。
この現象は駄目なSRAとして避けて来た。
SRABに話を戻すが・・ふと思った。SRABのバックにこの異種金属のSRAを配置したら何が起こるだろうかと。
予想では打ち消しあうからバックは弱くなるだろう。そしてフロントも弱くなるはずだろう。
全体的に打ち消し合って性能が落るだろうと。
確認したくなっので実験してみた。
バックは極端に少なくなった。
フロントは・・あれれ変わらないと言うよりも少し強くなっている。
これは良い。
でもって確認の意味で追加したSRAのディスクを前のSRABと同じ種類つまりアルミに交換して同じ確認をしてみた。
バックは追加前より強くなた。
フロントは追加前より弱くなった。
これは当然だと思う。別に不思議では無い現象だ。
同じ周波数のSRAをダイポールの様に配置したのと同じ事をやっているのだから、前後に8の字になって当然なのだ。
これが異種金属だと全く違う様相となる。
現時点で最も性能が良くなる可能性のあるSRABはバックに異種金属のディスクを持ったSRAセルを配置したものと言えるかも知れない。
まだこれから詳細に追求する必要は残っている。
スケルトンSPDタイプの6m用SRA試作
やはり6m用は難しくて苦労しました。
スケルトンSPDタイプSRA3号機(80m用)
一応出来上がりました。
重いのが気にかかります。
しばらくはまた室内運用で性能確認します。
昼間は3。5MHzは誰も聞こえないのでお互いのコイルの中央付近からワニ口クリップ(ミノムシ)でタップ出しをして7MHzに共振させて7MHzで室内から使っている。なかなか使えそうだ。
ただし、ローブの形を電界強度計でチェックすると水平部分に強く出て上に上がってゆくとヌル状態になりもっと上に上がると再びローブが観測される。
3.5の状態とは明らかに違うローブ状態だ。
近距離電離層伝搬が出来るが7用SRAとは違った放射パターンになっている。
7MHz用のスケルトンSPDタイプSRAでは上には出ていない。
つまり水平方向のローブよりも上側は何処まで上がってもヌル状態になっている。
スケルトンSPDタイプ2号機
一応完成しました。
今回は銅でまとめました。
タップが出しやすいので其の分調整がしやすかった。
今まで以上に相対的電界強度が強いので悪くはない気がします。
室内から試験運用していますが国内なら全エリヤQSO出来ています。
気持ちとしてはかなりの好成績です。
最も特性の良いSRAの次
一回目はアルミシリンダーに銅のディスクで全く電波が出ない物を造ってしまい。
一旦分解してアルミディスクへ交換した。
次はアルミよりも電気電気電導が良い銅を全て使って作ることにする。
混在させるのは打ち消しあう精分が発生して駄目になるが全部銅なら問題は出ないはずだし電導度(伝導度)はアルミよりも良いので悪くはならないだろう。
アルミを使った理由は手頃なパイプ状の物があったからだが継ぎ目のない70mm径の銅パイプは見当たらなかった。
今回もしかたがないのでカシメとハンダ付けで丸めてシリンダーを作ることを考えている。
前回コイルの下側に作業スペースを取らな方のでマチングトランスを入れる空間がなかった、またLCマチングにおいてもVCなどを入れる空間がなかった。
したがってセルフマッチングを採用したが、最高だったかどうか疑問が残ってしまった。そこで今回は場所を最初から準備しておいて色々なマッチング方式でデーターを取っておくことにする。
興味深いデーターになることだろう。